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2008.8.1
熱中症【副院長】

熱中症とは外気において高温多湿などが原因となって起こる症状の総称で、病態の違いから大きく4つに分類されます。

1)熱失神

直射日光の下での長時間行動や高温多湿の室内で起こり、発汗による脱水と末梢血管の拡張によって体全体の血液循環量が減少したときには発生します。

突然の意識消失で発症し、体温は正常であることが多く、発汗や除脈を呈します。

点滴と冷却療法で治療します。

2)熱疲労

多量の発汗に水分、塩分補給が追いつかず、脱水症状になったときに発生します。

症状は様々ですが、直腸温は39℃程度まで上昇しますが、皮膚は冷たく発汗が見られます。やはり点滴と冷却療法で治療します。

3)熱痙攣

大量の発汗後水分だけを補給して、塩分やミネラルが不足した場合に発症します。

突然の不随意性有痛性痙攣と硬直を生じ、体温は正常のことが多く、発汗が見られます。食塩水の経口投与で治療します。

4)熱射病

視床下部の温熱中枢まで障害されたときに体温調節機能が生じ、体温が40℃以上までに上昇しているにも関わらず、発汗は見られず皮膚は乾燥しています。

緊急入院で速やかに点滴や冷却療法で治療します。

 

熱中症の予防法としては

・発汗によって失った水分と塩分の補給をこまめに行う。(スポーツドリンクなども良いがナトリウム濃度は低い。)

・睡眠をじゅうぶんとる。

・休憩を取りながら作業する。

・体感温度を下げる方法として日射を防ぐ、通風を確保する、扇風機の風を作業場所へ向ける、スポット冷房する、作業服の内部に送風する、蓄冷剤を利用する、水の気化熱を利用して体温を下げる。

などが推奨されます。

 

熱中症に注意して暑い夏を乗り切りましょう。

 

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